猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
テーブルの上に乗り切らないくらいの料理に健一は目を丸くしている。
「俺、こう見えても胃切除したんだけど」

と、苦笑いを浮かべた。
それでも久しぶりに食べる家族での料理にすごく嬉しそうだ。

ミーコも一緒になって高級お菓子を沢山食べさせてもらうことができてご満悦だ。
「そろそろ本腰を入れないか」

料理が半分ほど減ったところでお父さんが健一へ向けてそう声をかけた。
それがなにを意味しての言葉なのかすぐに理解したようで、健一は端を置いた。

裕太くんは沢山食べて今は畳の上で横になって寝息を立てている。
その横で義理妹さんが裕太くんの体をトントンと優しく叩いている。

弟さんは居住まいをただし、お母さんは優しい笑みを浮かべて話しに耳を傾ける。
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