猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
見上げてみると健一は熱心に新聞を読んでいる。
「ミャア」

そんなもの読んでいないで、少し遊んで?
そんな願いを込めて自分から膝に飛び乗った。

そしてそのまま丸くなる。
ほら、いつもみたいに頭を撫でて。

背中も撫でてよ。
だけど健一は視線をミーコへ向けることはなかった。

「ちょっと、邪魔だから」
と一言いってミーコを床におろしたのだ。

その対応に愕然として健一を見上げる。
健一はまた新聞を熱心に読み始めてしまって、全く意識がこちらへ向いてはくれない。

「ミャアミャア」
ねぇ、散歩へ行こうよ。
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