猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
なにをしても答えてくれないのならもう期待はしないほうがいい。
そう思って自分のクッションの上で丸くなる。

わかってる。
これは単なるワガママだ。

健一はこれから大きな仕事を背負う人なのだから、猫一匹にかまっている暇なんてないのだろう。

なら、それなら。
こうなることがわかっていたのなら。

どうして私を拾ったりしたの?

1度でも人のぬくもりを知って、人に愛される喜びを知ってしまった私は、これから先どうすればいいの?

こんなにつらい気持ちになるのなら、いっそずっと、ひとりのままで良かったのに。
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