猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

今の私に居場所はない。

野良猫が歩いていることで時折通行人たちが視線を向けてくるけれど、みんな自分の生活に忙しくて足を止めない。
でも、だいたいそうだ。

尚美だって野良猫が歩いているくらいで足を止めたりはしないだろう。
だけど健一は違った。

フラフラになった野良猫を前にして立ち止まり、拾い上げてくれたのだ。
あの優しい人の迷惑にだけはなりたくない。

そんな気持ちでさまよい歩いていると、いつの間にか健一とやってきたことのあるあの公園にたどり着いていた。

もしかしたらハトや、ハトおじさんがいるかもしれない!
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