猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
怒ったように言っているけれど、全然怒っていない彼はずぶ濡れのミーコに頬ずりをした。

あぁ……。
ずっとこうしてほしかった。

ここ一ヶ月間ずっとずっと、待っていた。

健一はよほど慌てて出てきたのだろう、傘もささずサンダルをはいていて足もとは泥だらけだ。

「最近かまってやれなくてごめんな。でももう大丈夫だから。山場は過ぎたんだ」

ミーコをきつく抱きしめて健一はそう言ったのだった。
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