猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
どう?
と言われてもハトの餌を奪うつもりはない。
それはご自由にどうぞと言おうとしたところだった。

公園内で遊んでいた1人の女の子が走り出すのが視界の端に見えて尚美はそちらへ振り向いた。

3歳くらいの女の子が公園から飛び出していく。
そこ先は大きな道路になっている。

けれど親はどこにいるのか、女の子を追いかける人の姿は見当たらない。
尚美はなにも考えず、本能のままに駆け出していた。

散歩紐が手から離れて健一が驚いた表情を浮かべてミーコを見る。
だけど尚美は止まらなかった。
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