猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

意識を失う寸前に見えたのは驚いた表情で駆け寄ってくる健一の姿だった。
そういえば、拾われたあの日もこんな感じだったんだっけ。

そう思っていたとき、尚美の耳にピッピッという機械音が聞こえてきた。
体はとても重たくてまだまだ眠っていたいのに、機械音が耳障りでどんどん意識が覚醒していく。

もう、なによ。
もう少し寝かせてよ関さん。

そう思いながらも薄めが開いた。
天井が近い。

関さんの部屋の天井ってこんなに低かったんだっけ?
「田崎さん、わかりますか?」

どこか焦っているような女性の声に視線を向ける。
そこには看護師の恰好をした見知らぬ女性が立っていた。
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