猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

「じゃあ行ってきます!」
尚美は庭先で洗濯物を干していた母親へ向けて手を振って歩き出す。

新しい勤務先は実家の近くのスーパーだ。
以前の会社に比べればお給料は随分少なくなってしまったけれど、やりがいはある。

お客さんと直接のやりとりをしてどんな商品が欲しいのか聞くことができるのは、お菓子担当としてとても重要な経験だった。

大人用お菓子と子ども用お菓子。
そのどちらも楽しむことのできるお菓子。

ただのお菓子と侮るなかれ、種類も豊富でとても決められた棚には入り切らないものばかりだ。

「おはようございます!」
元気に挨拶をして更衣室へ向かう。

紺色のエプロンと紺色のバンダナを頭にまく。
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