猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
そんなにミャアミャア鳴いていただろうか。
でもまぁ、子猫につける名前としてはごくありふれていると思う。

尚美は「ミャア」と短く返事をした。
「よかった。気に入ってくれたんだね」

そんなことを言うから意思疎通できているのかと思ったが、健一の勝手な認識で返事をしただけみたいだ。

「さて、名前も決まったことだし、お菓子でも食べる?」
その言葉に自然と耳がピンッと立った。

お菓子という単語にはどうしても弱い。
尚美はそろそろとテーブルから出てくると健一を見上げて「ミャア」と鳴く。

今日のお菓子はなんだろう。
新作はチョコレート菓子だったはずだ。
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