猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
そう思って何度も「ミャアミャア」鳴いてみたけれど、後の言葉はなにも通じなかった。
少しガッカリするけれどそれでも優しい健一に拾われたことは不幸中の幸いだったに違いない。

「さぁ、今日はもう寝よう。明日は一緒に買い物へ行くよ」
そう言われて尚美は明日も休日であることを思い出した。

健一は今日休日出勤だったのだろう。
だから会社の近くにいたんだ。

「こっちにおいで」
リビングの電気を消した健一に手招きされて尚美はその後をついていく。

隣の部屋は寝室になっていて、大きなベッドが中央に置かれている。
さすがに広い……!
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