猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
なくなったことくらい見ればわかるのに確認せずにはいられないなんて!
恥ずかしくて顔をうつむけたくなったとき、健一がまた冷蔵庫を開けた。

もしかしておかわり!?
と思って飛んで行ってみるとバターを取り出したところだった。

これからトーストを焼いて食べるようで、いつの間にかキッチンにはコーヒーの匂いもただよっている。

人間だったころはコーヒーの匂いが好きだったけれど、今はなんだか……変な匂いに感じるかもしれない。

あまり強い匂いは苦手になってしまったようで、尚美はすぐにリビングスペースへと逃げていった。

テーブルの下で丸まって待っていると20分ほどで朝食を終えた健一が「なにしてるの?」と、テーブルの下を覗き込んできた。
< 44 / 219 >

この作品をシェア

pagetop