猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
その口元にトーストのかけらがついているのが見えて尚美はテーブルの下から這い出した。

トースト、付いてるよ。
と教えてあげたいけれど、もちろん「ミャア」としか話せない。

どうやって教えてかと思ったとき抱き上げられて、食べたばかりの朝食の美味しそうな匂いが尚美の鼻を刺激した。

……そんなつもりはなかった。
ただ健一の口から匂いがしてきていて、つい匂いを嗅いでしまって。

そしたらトーストのかけらが視界に入ってきて……思わず、舌を出してそれを舐め取っていたのだ。

健一の口元をペロリとなめてしまってからハッと気がついた。
私、今なんでことを!?
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