猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
店内には明るいBGMがかかっていて、店員たちから「いらっしゃいませー」と、これまた明るい声が聞こえてくる。

飼育道具や餌などが置かれている奥から動物たちの鳴き声が聞こえてきていた。
いろいろなものがあるなぁ。

と、カートの中から物珍しげに店内の様子を見ている間にも、健一は次から次へとカートの下に商品を置いていく。

猫用のトイレに砂に餌におやつ。
おもちゃに爪とぎにと、あちこちを歩き回って尚美の方が目を回してしまいそうになる。

「最後に首輪だな」
首輪と聞いて尚美はドキリとする。

周囲からも飼い猫として認識してもらうために必要なことはわかるのだけれど、でも、首輪って……。
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