猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
次々と置かれてゆく猫用品に、殺風景だった部屋の中があっという間ににぎやかになる。

観葉植物たちは突然出現したミーコという天敵をどう感じているだろうか。

自分たちの居場所がなくなると警戒しているんじゃないかと、尚美は一瞬考えた。

植物たちが動物でなくてよかったかもしれない。

「さぁ、できあがりだ。これでいいかな? お姫様?」
ミーコを抱き上げて室内を歩いて回る健一。

こんなにも自分のことを考えて、思ってくれているなんて嬉しくないわけがない。

申し訳ない気持ちも強かったけれど、それよりも嬉しさが勝ってしまって、尚美は自分から健一の顔に自分の顔を近づけた。

そして本能のままに健一の顔をペロペロとなめ始める。
健一の頬はつややかできめ細やかで、少し汗の味がした。

「喜んでくれたみたいだな。よかった」

健一は嫌がることもなくくすぐったそうにほほえみ、そしてミーコの唇にチュッとキスをしたのだった。
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