猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

大好きな上司との初めてのキスはほんの一瞬で、なにが起こったのか理解する前に離れていった。

だけどキスをしたことだけは間違いない。
呆然としている尚美の体を抱きかかえたまま、健一は隣の部屋へと移動した。

そこは脱衣所になっていて、洗濯機やタオルが置かれている。
その奥が浴室だ。

健一は湯船に湯をため始めるとリビングへ戻ってソファに座った。

「ふぅ」

と短いため息を吐いて、ミーコを膝の上に乗せて撫でる。
さすがに沢山買い物をして疲れたのかもしれない。

大物も沢山あって、エレベーターを使っても運ぶのだって大変だっただろう。

そう思って見つめていると、健一は眠そうにあくびをして目を閉じたのだった。
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