猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
☆☆☆

「ほーら、気持ちいいだろう?」
健一が尚美の体を両手でわしゃわしゃと洗っている。

人をお湯につけるだけでは飽き足らず、猫用シャンプーまでつけられて泡立てられている。

尚美はムスッとした表情のままやられるがままになっていた。

どうせ力では勝てないし、猫用シャンプーの匂いはまぁまぁ好きな香りだし、仕方ないのだと諦めてしまった。

それでも時折背中にかけられるお湯の感触にビクビクして体が硬直してしまう。

人間だった時はお風呂が大好きだったけれど、猫になった今は命の危機を感じるものになってしまった。

「そんなに怖がらなくても大丈夫だよミーコ。これが終わればすごくキレイになるんだから」
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