猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
尚美は無意識のうちにクンクンとあちこちの匂いをかぎながら室内を歩き回る。

健一がミーコのためにどこのドアも薄く開けていってくれているから、勝手に出入りしていいということなんだろう。

さっそく脱衣所へと向かった。

ここは1度入ったことがある場所だけれど、あのときは自分が洗われることであまり周りのものを確認することができなかった。

脱衣所の中も殺風景で、真っ白な棚に白いタオルが並んでいる。
柄付き、色付きのものはひとつもない。

小物に執着しないタイプなのかもしれない。

それから洗面台の上に飛び乗ってみたいと思ったけれど、今のミーコでは小さすぎてちょっと届かなかった。
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