猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
それでも、タオルの少なさを見ればやっぱり彼女らしき人物がここに出入りしているようには思えなかった。

他にも一通り調べて回ったけれど、健一のひとり暮らしで間違いなさそうだ。

ソファの隣のクッションに戻ってきてホッと息を吐き出す。

なにやってるの私。
これじゃ遠距離恋愛で彼氏の浮気を疑ってる彼女みたいじゃない。

安心したことで自分にツッコミを入れる余裕もでてきた。
そもそも尚美は健一の彼女でもなんでもない。

健一に女の影があったところで文句を言えるような立場ではなかった。

といっても、万が一現れたとする健一の彼女に懐くこともまずできないだろうけれど。

さて、これから関さんが戻ってくるまでどうしようかな。

時計を確認してみると健一が仕事へ行ってからまだ2時間しか経過していないことに愕然とする。
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