猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
もしかしたら幻滅して捨てられてしまうかもしれない。
こんなバカ猫いらないって、怒るかもしれない。

そうなると、保健所行き!
緊張で全身が固くなった時、健一の足音がすぐ近くで止まった。

もうこの惨状は見えているはずだ。
尚美はギュッと目を閉じて覚悟を決める。

ほんの短い間だったけれど、好きな人と一緒に暮らすことができてよかった。

私の人生にはなんの悔いもない。
「ミーコ?」

その声にハッと息を飲む。
怒られる。

そして保健所へ連れて行かれる!
覚悟を決めたはずなのにやっぱり怖くて恐る恐る目を開ける。

するとそこには心配そうにこちらを見つめる健一がいた。
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