猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
最初は恥ずかしくて仕方のなかったこの行為も今では慣れっこだ。
互いに頬を擦り寄せて体温を分かち合う。

大好き。
愛してる。

言葉は通じなくてもそんな気持ちが存分に伝わってくる。
それから健一はミーコの大好きなねこじゃらしのオモチャを取り出して遊び始めた。

自分は仕事で疲れているはずなのに、それを感じさせないくらい熱心に遊んでくれる。
ミーコは健一のあやつるねこじゃらしを捕まえたくて必死に追いかける。

あぁ、これじゃ明日も昼間ぐっすり眠ってしまう。
夜眠れなくなったらどうしよう。

そんなふうに考えることはできるのに、はやり本能には抗えない。
「喉が乾いただろう。ホットミルクはいるか?」

そう聞かれて尚美は「ミャア」と返事をした。
走り回ったおかげで喉はカラカラだ。
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