エルピスの花嫁~双子の神様に愛されて~小説版
*
「珠ちゃん、お誕生日おめでとう!」
なんとか遅刻は免れて席に着くと、真っ先に親友の花がお祝いしてくれた。
花は私よりも小柄で、きれいなな艶のある黒髪が女の子らしくて、私はちょっと羨ましい。
「花! おはよう。ありがと〜」
花は小学校からの付き合いだった。
中学生活に向けて入った塾で声をかけてきてくれて、同じ学校入ろうねって高校受験も一緒に頑張ってきた。
同じ学校に入れただけじゃなくてクラスまで一緒になれたのはものすごくラッキーだった。
「どうしたの? 朝からお疲れじゃん」
そんなに疲れた顔をしていたかな?
花にはなんでも見透かされてしまう。
マンションから駅までダッシュしたのはもちろん、今朝の謎の双子の精神的疲労もあると思う。
「それがさぁ〜」
花に愚痴ろうと思ったけど、見知らぬ人に頬とはいえキスされた話するの!?
無理無理無理無理!
「……遅刻しそうでダッシュしただけ」
「それはお疲れ様だね。そんな珠ちゃんに、こちらをプレゼント!」
私が誤魔化すと、花はジャジャーンと口で効果音をつけながら、それを差し出してきた。
オーロラみたいな半透明の包装紙にピンクのリボンでラッピングされた、長方形の小さな箱。
これはもしかして、もしかしなくても誕生日プレゼント!
「わあっ、ありがとう! さっそく開けていい?」
「もちろん」
花の返事に、受け取ったラッピングのリボンを引っ張る。
リボンを解いて包装紙を外して、無地の箱を開ける。
中から出てきたのは、水仙の花が描かれた細身のミストスプレーだった。
「これってもしかして?!」
見覚えのあるパッケージに心がはずむ。
「そう! 私とお揃いのボディーミスト」
「私が欲しいって言ってたの、覚えててくれたんだ!」
やっぱり、花がいつも使ってるボディーミストだった。
ほんのり甘い上品な花の香りがしてとっても素敵なんだ。
よく中学に間違われる花だけど、このボディーミストの大人っぽい香りが不思議としっくりきていて、花のために作られたんじゃないかって思うぐらいだった。
だから、私にはあんまり似合わないかもしれないけど、花とお揃いが嬉しかった。
「珠ちゃん、お誕生日おめでとう!」
なんとか遅刻は免れて席に着くと、真っ先に親友の花がお祝いしてくれた。
花は私よりも小柄で、きれいなな艶のある黒髪が女の子らしくて、私はちょっと羨ましい。
「花! おはよう。ありがと〜」
花は小学校からの付き合いだった。
中学生活に向けて入った塾で声をかけてきてくれて、同じ学校入ろうねって高校受験も一緒に頑張ってきた。
同じ学校に入れただけじゃなくてクラスまで一緒になれたのはものすごくラッキーだった。
「どうしたの? 朝からお疲れじゃん」
そんなに疲れた顔をしていたかな?
花にはなんでも見透かされてしまう。
マンションから駅までダッシュしたのはもちろん、今朝の謎の双子の精神的疲労もあると思う。
「それがさぁ〜」
花に愚痴ろうと思ったけど、見知らぬ人に頬とはいえキスされた話するの!?
無理無理無理無理!
「……遅刻しそうでダッシュしただけ」
「それはお疲れ様だね。そんな珠ちゃんに、こちらをプレゼント!」
私が誤魔化すと、花はジャジャーンと口で効果音をつけながら、それを差し出してきた。
オーロラみたいな半透明の包装紙にピンクのリボンでラッピングされた、長方形の小さな箱。
これはもしかして、もしかしなくても誕生日プレゼント!
「わあっ、ありがとう! さっそく開けていい?」
「もちろん」
花の返事に、受け取ったラッピングのリボンを引っ張る。
リボンを解いて包装紙を外して、無地の箱を開ける。
中から出てきたのは、水仙の花が描かれた細身のミストスプレーだった。
「これってもしかして?!」
見覚えのあるパッケージに心がはずむ。
「そう! 私とお揃いのボディーミスト」
「私が欲しいって言ってたの、覚えててくれたんだ!」
やっぱり、花がいつも使ってるボディーミストだった。
ほんのり甘い上品な花の香りがしてとっても素敵なんだ。
よく中学に間違われる花だけど、このボディーミストの大人っぽい香りが不思議としっくりきていて、花のために作られたんじゃないかって思うぐらいだった。
だから、私にはあんまり似合わないかもしれないけど、花とお揃いが嬉しかった。