冬が終わっても春が来ても 君は、
恋と親友を天秤にかけて
「でさ、言ったんだよ?一緒に海に行かない?って」

「でー?」

「いいね!じゃあ誰々ちゃんと誰々くんも誘う!?大勢のほうが楽しいよね!って…俺、ぜんぜん脈無しなのかな」

「そうなんじゃない?」

「えーそんなきっぱりと…」

さっきから休憩室のパイプ椅子に座って、
私の向かいでメソメソしているのはフユくん。

小、中と同じ学校で、
これまたなんの奇跡なのか九年間、ずーっと同じクラスだった。

フユくんが私の初恋相手になるのは簡単だった。
だって、そうなるように仕向けられてるみたいに、
私のそばにはずーっと、フユくんがいたから。
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