冬が終わっても春が来ても 君は、
「ハルちゃん、レジ空いてたらこれ補充してって」

世間がランチライムの時間には、コンビニもすごく忙しくなるけれど、二時を過ぎた頃には少し落ち着いてくれる。

今は店長と、私とフユくんしかシフトに入っていない。
三時になったら大学生の先輩が出勤することになっている。

フユくんがバックヤードから運んできたタバコの箱を受け取って、レジバックの棚に補充していく。

「貸して」

私が持っていた銘柄の箱をフユくんがひょいって持っていった。

それは、棚の一番上の銘柄だった。

「ありがとう。でも私も届くよ」

「でも俺のほうがもっとラクでしょ?」

「フユくん、私ね、164センチあるの。身長」

「俺は178だからハルちゃんより10センチ以上も大きいよ」
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