冬が終わっても春が来ても 君は、
「あのね、フユくん」
「うん?」
「フユくんから見たら小さいかもしれないけど、女子にしたら164って大きいほうなんだよね。コンプレックスなの」
「なんで?かっこいいじゃん。ハルちゃん、スラっとしてるし。羨ましい人のほうが多いと思うよ」
かっこいい、か。
あーあ。コンプレックスなのに自分から身長の話なんてするんじゃなかった。
「ナツミは?」
「ナツミ?」
「身長」
「150ちょっとって言ってたよ」
「へぇ………可愛いんだね」
「可愛い、ね?」
さっきからハルくんは、上の段の銘柄ばっかりをわざと選んで補充してくれている。
10センチ分の差を見上げたら、
もともとずっとそういう表情なのか、
可愛いナツミを思い出したからなのかニコニコと嬉しそうに口角を上げていた。
見なきゃよかった。
女の子みたいなくりくりの目。
薄いくちびる。
フユくんから香る柔軟剤の匂いも好き。
好きだよ。
「うん?」
「フユくんから見たら小さいかもしれないけど、女子にしたら164って大きいほうなんだよね。コンプレックスなの」
「なんで?かっこいいじゃん。ハルちゃん、スラっとしてるし。羨ましい人のほうが多いと思うよ」
かっこいい、か。
あーあ。コンプレックスなのに自分から身長の話なんてするんじゃなかった。
「ナツミは?」
「ナツミ?」
「身長」
「150ちょっとって言ってたよ」
「へぇ………可愛いんだね」
「可愛い、ね?」
さっきからハルくんは、上の段の銘柄ばっかりをわざと選んで補充してくれている。
10センチ分の差を見上げたら、
もともとずっとそういう表情なのか、
可愛いナツミを思い出したからなのかニコニコと嬉しそうに口角を上げていた。
見なきゃよかった。
女の子みたいなくりくりの目。
薄いくちびる。
フユくんから香る柔軟剤の匂いも好き。
好きだよ。