冬が終わっても春が来ても 君は、
「フユくんはさ」

「うん」

「ナツミのことはナツミって呼ぶんだね」

「うん。入学式の時に、そう呼んでって言われたから」

「私のことはずっとハルちゃんだよね」

「そうだね。小一の時からだもん。もう変えれないだろうなぁ」

「そうだね…。きょうだいみたいなもんだもんね」

「きょうだいよりはいろんなこと話してるけどね」

「うん、そうだね…」

九年間、フユくんが「ハルちゃん」って呼んだ数と、
四ヶ月でナツミの名前をくちにした数は数えていなくても、きっとナツミがぶっち切りで多いのだろう。

可愛いナツミを思って、きっとおうちでも愛おしそうにくちにしているに違いない。
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