ピュアなお姫さま
「なっ!?怪力!?」
そう言って俺に目を向ける坂元に
『とにかく…俺からしてみればアンタは過去の人だから!』
と睨みながら言った…
坂元はもう何も言い返せないのか
悔しそうに下唇を噛んで
勢いよく喫茶店から出て行った…
坂元の友達も後を追うために
喫茶店を飛び出していた…
俺はすぐに桃花ちゃんのもとへと駆け寄る…
『大丈夫か!?桃花ちゃん!!』
俺がそう言うと桃花ちゃんは涙をたくさん流した…
桃花ちゃんは初めて会ったときもだけど
決して声を上げて泣くことはしないんだ…
俺の元カノである坂元に怯えそうになりながらも
今までずっと我慢していたんだろう…
確かに坂元の前でも桃花ちゃんは涙を流していたけど
こんなに止まらなくなる程には流してなかった…
耐えていたんだと思う…
桃花ちゃんは桃花ちゃんなりに必死に俺を守ってたんだ…
俺はこの日元カノに再会してかなり嫌な思いをした…
だけど
この日は俺にとって決して忘れられない日になった…
“カッコイイ”
そう言った桃花ちゃんの声が忘れられない…