ピュアなお姫さま

だいぶ泣きやんだ桃花ちゃんは

「悟瑠お兄ちゃん…」

まだ涙声だったけど俺に声をかけてきた…

『ん?なに?』

抱きしめていた腕を解いて少し体を離すと

桃花ちゃんは俺の正面…

そんな桃花ちゃんの瞳を見つめて聞き返す…

桃花ちゃんは無言で俺の右頬に小さな手で触れてきた…

そして

「痛かったでしょ?」

と心配そうに顔を曇らせて聞いてきた…

さっき俺が坂元にビンタされた右頬…

音デカかったしな…

でも桃花ちゃんに心配させたくなくて

『大丈夫だよ!全然痛くなんかないから!!』

と右頬に触れてる

桃花ちゃんの手に

俺の手を重ねて

精一杯の笑顔で言った…

でも…

正直かなりまだ痛い

ビンタされた右頬はヒリヒリしていて

まだ熱を持っているみたいだ…

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