ピュアなお姫さま

『ありがとう…桃花ちゃん』

にっこり笑って優しくそう言いながら桃花ちゃんの頭を撫でる…

細くサラサラした髪の毛の感触が気持ちいい…

もう…充分だ…満足だ…

今まで俺の求めていた言葉を聞くことができた…

“カッコイイ”

ずっとずっと誰かに言って欲しかったんだ…

だから

その言葉を聞いただけで

その言葉を言ってもらえただけで

俺はすごく満足してるんだ…

「あたしは本当のこと言っただけだもん!」

恥ずかしそうに頬をピンクに染めて

俺から目を逸らして言う桃花ちゃん…

そんな照れくさそうにする仕草が可愛くて

顔の筋肉が緩み自然と目が細くなる…

まだ何も知らない純粋な桃花ちゃん…

汚れきった世界も

矛盾だらけの大人や社会も

まだ何も知らない…

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