ピュアなお姫さま

『俺…もう懲りたんだ…さすがに…“来るもの拒まず去るもの追わず”はもうやめる…』

そう言って桃花ちゃんに笑いかけると

「来るもの拒まず去るもの追わず?ってどういう意味?」

と不思議そうに首を傾げて聞いてきた…

『う~ん…つまりは俺の場合で言うと、

コクってきた女の子のこと好きでなくても

コクってきたから

って理由で付き合って…
最後にはフラレんだけど…

未練なんてないんだ…』

俺がそう言ってもますます困惑の表情を示す桃花ちゃん…

だから俺は桃花ちゃんの小さな肩にポンと手を乗せて

『そのうち桃花ちゃんにも…分かるときが来るさ』

と言った…

桃花ちゃんは不思議そうにしながらも

残念そうな複雑な顔をして

「分かった…」

と小さく呟いた…

桃花ちゃんにもいつか分かる日が来る…

俺は今日すべてを話した…

坂元と付き合った理由とか…

そして

初めて知ったことだってあった…

坂元に兄貴が居ること

その兄貴が薬をヤッテるかもしれないこと…

俺自身のことは全部本当のことでウソなんて1つもない…

本当のことを話した俺

後悔はしてないけど

恥ずかしかった…

桃花ちゃんだけでなく

桃花ちゃんのお母さんまでにも

知られてしまったこと…

ビンタされてるとこも見られたし…

俺は何とも微妙な気持ちだった…

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