ピュアなお姫さま

なんとなくそんな姿に胸が痛んだものの

謝り続ける桃花ちゃんの両親に

『気にしないでください…俺こそあんな場面見られた上に巻き込んでしまって申し訳ないです…』

と言った…

元を辿れば俺が桃花ちゃんを巻き込んじまったようなもんだ…

坂元から罵倒されてた俺を桃花ちゃんは

小さな身体で精一杯庇ってくれた…

どれだけの勇気を持ち合わせていたのだろう…?

自分よりも明らかに背も高く年上のやつに見下ろされて睨まれて…

しかもぶたれそうにもなって…

それでもその場から逃げ出したりはしないで

ずっと立っていた…

震えながらもずっと立っていた…

坂元に立ち向かっていた…

俺は桃花ちゃんの両親に軽く頭を下げた後

もう一度桃花ちゃんの頭を撫でて

俺の後ろでボケーッと突っ立ってる和樹を引っ張って

カフェを出た…

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