ピュアなお姫さま
俺に手を引っ張られるがままボーッとしてた和樹は
カフェからかなり離れたところで我に返ったように口を開いた…
「ちょっと待てっ!!まだ何にも食ってねぇのになんで帰んだよ!?」
は!?今さらそんな質問かよ!?
俺は呆れて何にも言えなかった…
掴んでいた和樹の手を離して
大げさに大きなため息をつくと
和樹を残して1人でスタスタと歩き出した…
「あっ!!おい待てって!!置いてくなよ!!」
そう言って和樹は走って俺の隣に並ぶ…
そして俺の肩に手を置くと
「はぁはぁまじ疲れたし!!なんで1人で先に行っちまうんだよ!?」
キツそうに顔を歪ませて荒々しく呼吸をしながらそう言った…
『あのな…あんな雰囲気の場にいつまでも居れるか!?』
ため息まじりにそう言うと
和樹はキョトンとして
「あんな雰囲気って?」
そう言った…
もう俺何も言えねぇ…
『もういいや…とにかくお前はKYってことだ…』
それだけ言った俺はまた歩き始める…
和樹も歩き出した…
「ちぇ~。んだよ?俺食いたかったのに…楽しみにしてたのに…」
そう言う和樹の小言をずっと聞きながら
俺はあの日家に帰った…