ピュアなお姫さま
そして一週間が経った今日冬休みでもあり
クリスマスイブでもある…
ケーキの売り上げが一番良い時期でもあるクリスマスイブ…
昼飯を食った後…
ついウトウトしちまう頃…
あくびをしながら隣に目を向ける…
俺の隣に小さく座ってる女の子…
眉間にシワを寄せながら鉛筆を下唇に当てて
「ん~…」
小さくそう唸っている…
分かんないんだな…
『桃花ちゃん?どの問題が分かんないの?』
そう聞くと遠慮がちに算数のプリントの一カ所を指差した…
文章問題か…
「ここ…」
まるで悪いことをして叱られてしまった後の子どものような顔をして小さく言った…
『俺も文章問題苦手だったんだよな~』
おどけて言ってみると
「本当に!?」
大きな瞳を更に大きくして驚いたように聞いてきた…
そんな桃花ちゃんに笑いかけて頷いた…
クリスマスイブの今日も俺は桃花ちゃんの面倒をみている…
彼女がいない俺は周りの奴らみたいに
デートをしてイブを過ごすなんてできねぇ…
桃花ちゃんの両親が経営してる喫茶店は年中無休らしく
土曜も日曜も祝日も休みは0らしい…
それに今日は一番稼げる日だろう…
喫茶店行ったら絶対にカップルばかりだろうな…
俺の財布の中には折り畳まれたクーポン券が入ったまま…
『っつうか…なんで和樹まで居んの?』
そう…
今、俺の家には
桃花ちゃんと俺と和樹の3人が居る…