ピュアなお姫さま

『桃花ちゃん…俺が持つから』

スーパーの帰り

2リットルのペットボトルが2本入ってるスーパーの袋を

両手で抱えてフラフラしながら歩く桃花ちゃんに

何度言ったかわからないセリフをまた口にする。

そしてまた桃花ちゃんは首をブンブン横に振って断るんだ…。

『桃花ちゃん…コッチ持ちなよ?な?コッチのが断然軽いしさ?ね?』

自分が持ってるスーパーの袋を耳の高さに持ち上げて言う

けど

「大丈夫!!」

そう言ってフラフラな足で俺の前を歩く。

そんな桃花ちゃんにまたため息をつく俺…

俺が持ってるのが軽いってのに。

意地張って…

ちいせぇのに無理して

俺が持ってるのはお菓子とパンが詰まった袋

まじで大丈夫か?

内心ヒヤヒヤな俺…

体小さくて重いもん持ってフラフラしてるから…

今は歩道歩いてるけど

危うく道路に飛び出したりでもしたら…

大変なことになるぞ?

車が行き交う道路を横目に見てそんなことを思った。

ヒヤヒヤビクビク落ち着けない俺。

とりあえず限界まで持たせておくか。

また言っても聞かねぇだろうし。

桃花ちゃんが諦めるまで持たせておこう。

限界は近いだろう。

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