ピュアなお姫さま
あ~あ。
御機嫌損ねちゃった?
俺はそんな桃花ちゃんの姿を見て
苦笑いしながら
そんなことを思った。
ゆっくり桃花ちゃんに近づく。
弱々しく灯る頼りない外灯に照らされた
地べたに座り込み御機嫌斜めな桃花ちゃんの姿に
自然と眉が下がり頬が緩んでしまう。
困ったように笑う
そんな言葉がぴったりな顔だろう。
桃花ちゃんの目の前に回り込み
地べたにペタンとおしりをついて座ってる桃花ちゃんに手を差し伸べる。
『ほら、立ちな?やっぱり無理だったろう?無理しなくていいんだよ?まだまだ子どもなんだから(笑)』
大人ぶって微笑(ワラ)ってそう言う。
途端にますます不機嫌な顔になり
「子どもじゃないもん!こんなの楽勝だもん!ちょっとひとやすみしてただけ!!」
スクッと立ち上がり
2リットルのペットボトルが入った袋をまたフラフラして抱え始めた。
『ほらほら危ないって!!』
無茶ばかりする桃花ちゃん…
俺は今までで一番
大きなため息をもらし
『仕方ねぇな』
そう呟くと
自分の今持ってる袋を腕にかけて
2リットルのペットボトルが2本入った袋を持って
フラフラの桃花ちゃんを
軽々と持ち上げ
お姫様だっこした。