皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「そんな…ここの学校に入学なんて…普通そんなプライベート情報なんてわかるの?」
「まぁ…ちょっと特殊というか。私けっこうガチ勢のファンだったから、どんな些細な情報もリサーチしててさ。」
「………。」
「瑠色が前に所属してたグループの誰かの裏アカウントが、ここの学校の入試受けたって書いてるの見つけて。まさかと思ってたけど、万が一って事もあって私も猛勉強したら本当だったっていうね。」
「裏アカウント?」
「うん…。幸子はわかるかな…。まぁ心の中の汚い本音を言いたい別の自分っていうか…。まぁ良くないけどね、他の人の情報流すのはさ。」
分かるようで分からない。
そんなことをして何のメリットがあるのか。
本音を言いたいのはわかるが、悪い事をして良い理由には一つもならない。
「まぁ、私が以前幸子にした行動みたいなもんよ。隣の席いいな、瑠色に守って貰っていいな、ズルいな。よし苛めようみたいな。」
「いや、後者の意味がわからん。」
「アハハ!まぁ弱いもの苛めて優越感に浸りかったんだよ。負け犬よ負け犬。」
「おーい、そこ声大きいぞ。」
「「は~い。」」
注意されてようやく配われたプリントを見て、わかる問題から教科書を開かないとわからない問題と様々で、そして何だか自分にも当てはまるような加南子の話にまたしても気分が沈んでいく。
ねぇ…黒川君。
私どうしたらいいのかな。
おかしいね。
携帯のボタン一つで沢山の顔にいつでも会えるのに。
当の本人は、現れない。
「黒川君と同じ学校だって知った時どう思った?」
「夢かと思った。本当に好きだったから…。ま、叶うわけないけどね。ただ…。」