皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
未知の世界
「…え?今…。」
「ちょ!マジ?」
「おいおい聞こえたよな!?」
「ちょっと瑠色!!」
「なんで!?なにあの女!!」
私と黒川君以外のクラス全員が阿鼻叫喚の地獄絵図。あの一言で泣いている者、怒っている者、動揺している者。
誰一人として黒川君の訳のわからない発した言葉に笑顔の人は居ない。
「…ねぇ皆、静かにしてくれない?」
黒川君が席についてから一ミリも変わってない体制から、目線は私からクラスメイト全員に回し、眉と目をしかめらせ明らかに不機嫌な声でさっきまで吠えていた全員を黙らせる。
担任ですら黙っている。
待って、怖い。
今どんな状況なのこれ。
嫌ですって言いたい、今すぐ言いたい。
「あ、先生~。俺ちょっとゆっくりこの子と未来予想図語りたいから1時間目休みっつー事で。」
「あ…あぁ。」
「ほら、行こう。」
「ちょっ!」
静まり返った教室に、立ち上がった黒川君に無理やり腕を捕まれて廊下に出される。
各クラスがHRをしている教室を何度も通過し、そしてまだ把握していない校舎内の廊下をひたすら歩き、屋上へと続く階段に腕を捕まれながら無理やり登っていく。
「ねぇ!いい加減痛いって!」