皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました

「秀紀さんとスタッフさん達が、俺が此処で飯食うから誰も入らないように見張ってくれてるんだよ。俺さっきまで撮影の打ち合わせしてたから。」

「店主!営業妨害してる人がいます!」

「店主、俺のサイン飾ってたら3ヶ月の売り上げ5倍は保証するし、俺のSNSでここの飯美味いって書いておくから、3年はお客さん途絶えない事約束するよ。」

「テレビ来ちゃうな~改装すっか?」


何がどうなってこんなことするわけ!?
一体何がしたいの、何が目的なの!?


「幸っちゃん今日はもういいから瑠色と学校行っといで。ホラ!割烹着脱いでいつもの一回転。」

ママさんが消臭スプレーを持ってきて、納得のしない心と身体でゆっくり一回転する。

「幸っちゃん、ホラ今日の弁当。」
「何なにそれ、幸子だけ~?」

店主が持たせてくれた私の学校の昼食のお弁当を見て黒川君が聞いてくる。

「これは幸っちゃんだけ。瑠色はまた食べに来て下さいな。」

ママさんと店主が行ってらっしゃいと手を振るので、納得出来ないモヤモヤだけど、出来立てのお弁当の暖かさを手に感じて少し気が晴れる。


「オッケーまた来るわ。よし、幸子行こうぜ。」

椅子から立った黒川君がカウンターに明らかに多いお金を置いて、私より先に引き戸の扉を開ける。

本当に一緒に行かなきゃ駄目!?
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