皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「でもあの店、マジで幸子の父さんと母さんかと思ったくらい大事にされてんじゃん。」
「…そう?」
「まぁ、ママさん美人だったから親子じゃねーなって気付いたけど。」
「おい。」
話しながら着いた私達の学校。
それぞれの下駄箱で上靴を履き替えようとしたら、
相変わらず私の上靴にはゴミが入れられて悪臭を放っていた。
「…はぁ。」
ビニールに入れて持ち帰って洗う身にもなって欲しい。
上靴を毎日持ち帰っていたが、たまに忘れたらこんな仕打ち。
「典型的な苛めに合ってんね。これはマジでごめん。でも今日で終わるから待ってて。」
気付いたら黒川君が隣にいて私の下駄箱を見て先ほどと同じように、少し悪い顔をして口角を上げて笑っている。
とりあえず生ゴミまみれの上靴はそのままにして、外靴は使われていない下駄箱に隠すように入れ、来客用のスリッパを履く。
スリッパを履いての学校生活は何年も前から慣れているのが悲しい現実。
「おはようございま~す。」
一緒に教室に入る黒川君と私に、教室にいる男女含めたクラスメイトが今日はどんな私への攻撃をしてやろうかと思っていた顔から一変。
「お、おはよう!」
「ひ、久しぶりだな瑠色!」
「仕事忙しいの?…今日は彼女…と一緒?」