皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
何回か憧れた携帯電話も、先ず友達が居ない現実と、いつお父さんに壊されるかわからない恐怖をするくらいなら持たない方が賢いし、
だけどそんな理由を上手く言えず
「いらないったら要らない、そもそも私が持っても意味無い。」
「いや~俺も秀紀さんも暇じゃねーんだから、そんな何回も割烹着のお前と軍手姿のお前を見に行けねーぞ?」
「見に来ないで。」
ちなみに学校帰りのバイトのファミレス先は言っていないせいかまだ知らないらしく、その話題は出てこない。
ていうか教える義務も必要性も無い。
「二人で会えなきゃ週刊誌もネタにならねーじゃん。」
「何の話?」
「あ、いや…何でもない。」
相変わらず自分の事しか考えていない発言がしっかり聞こえたが、
そもそも事務所の命令とはいえ、私にしたら何の得にもならない偽物彼女作戦を了承した黒川君は、どうかしてる。
「…望んでないのにいいわけ?」
野菜とお肉が入ったバランスの良いお弁当を完食して、満たされたお腹で例の話を何となく聞いてみる。
「別にいいよ知名度さえ更に上がれば。」
「私を踏み台にしてでもね。」
「あぁ、それに関してはちょっと俺も言い方悪かった。彼女役になってくれない?バイト代出すからって言った方が食い付いたんじゃない?」
金額によりますと、危うく口に出してしまいそうになる。