皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
学校帰りに向かうバイト先。
飲食店ばかりを選んだのは単純にご飯が貰えるかもと期待をしてるだけ。
朝のママさん達の定食屋さんはお弁当を作ってくれるので本当に助かっているけど、全国チェーンの今向かっているファミレスは従食という、社員割引で食べられる制度で、お金を少しでも使いたくない私にとっては使えないシステム。
時給が良いだけマシだが、食欲を掻き立てられるご飯の匂いは私にとっては地獄でしかない。
節約というか、食費だけは私が我慢すれば済むだけの話。
自分が支払いする立場になってから気付く衣食住の大切さ。
とにかく水道だけは止まったら生活に一番影響が出ることを知った。
お風呂からトイレ、食べる為、昔と違って不潔な身体にはならない様にしている。
電気はあまり活用していないが当たり前に止まったら困るし、ガスなんて持っての他。
ボロすぎるアパート、地盤も悪く地震が来たら崩れそうな老朽化。
私達以外に住んでいるのは把握していないが、お婆ちゃんが一人で住んでいるのは見たことがある。
目を合わせただけで杖を振り回して追いかけられた事がある記憶。
ボロアパートなのに家賃はしっかりと数万は取られ、正直何度も滞納している為大家さんには何度も頭を下げている。
「ここ早く取り壊してくれないかしら?」
「変な人しか住んでないのよ。」
私が住人と知らず、通りすがりに聞いたことがあるおばさん達の会話。
私も変な人と思われているのかな。
昼休みに黒川君と密着した事をふと思い出し、こんな自分を知ったら彼はきっと私に頼んだ彼女役を後悔するかな。
私あの時、髪の毛…臭くなかったかな。