皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「好きに呼んでよ。とりあえず廊下に並ぼう。遅れたらヤバいじゃん?」
またもやキャーーーという叫び声に、なんだか本気でいつか誰か倒れるんじゃないかと心配になる程、女子達が騒ぎながらようやく皆廊下に出てくる。
並び順を各自で確認している中、何故かイケメンは順番関係なく最後尾に並んで、一年生最後のクラス私達のD組が体育館にゾロゾロと入っていくと、
後ろで座っている保護者達は流石に叫ぶ程の声は上げていないが、イケメンが体育館の空間に入ると明らかに一瞬ざわついたような空気が流れ、
この異様な雰囲気に、私だけが知らなくて、知らない自分が間違えているような気もして、校長の話も知らない校歌もなんだか落ち着かず。
さっきも思ったけど家に私の知らない何かを書いているお知らせが絶対来ているとしか考えられなくて、
先ほどの髪の毛が散らかり過ぎた男の先生が自分のクラスの担任だと紹介されているのをぼんやりと聞いていた。