皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「ストレスだな!」
「…大きな声出さないで…頭痛いんだから。」
気付けばどうやら保健室。
白いカーテンで仕切られたベッドと、ベンチのような黒い長い椅子が数個。
少し鼻につくアルコールの消毒の匂い。
入学式の時だけ見た、あまり若くなさそうな保健室の女の先生と黒川君が私のベッド横に立っている。
「えーと1年D組の木村さんね。酷い低血圧よ?お昼ご飯食べた?」
「……いえ。」
「あ!本当だ、お前飯食ってねーじゃん。」
「ダイエットでもしてるの?貧血になるから絶対ご飯は抜いちゃダメだよ。」
「腹減ってるか?」
体調不良も変わらず継続し、ただでさえ寝起きに沢山色々な事を言われても直ぐに返事も出来ず、
目の前の少し薄い白い布団から目線を変える事が出来ない。
「俺何か買ってきてやるよ。何食いたい?」
「いきなり沢山食べても胃がビックリするから軽いものにしてあげなさい。」
「外出て買って来ていい?」
「駄目に決まってるでしょ。」
「……今、何時ですか?」
「今は13時半前よ。6時間目はどうする?このまま寝てる?それとも帰る?」
ということは、お昼休みから貧血で倒れて30分も経っていないけど、
初めての貧血で、本当に倒れる直前から今まで覚えていない。
そもそも、意識を失った自分にビックリしてしまう。
「運んでくれたの?」
「いやまさか。顔色真っ青な奴が目の前でぶっ倒れて俺一人で対処出来るかよ。流石に大人呼んだわ。」
そう…と呟くと、また目眩がする。