皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「凄いね?ドア勝手に閉まったよ?」
「運転席にボタンあるんだよ。車乗ったこと無いのかよ。」
ないよ、有るわけないじゃん。車なんて乗る機会もないよ。乗車初心者を誤魔化すように貰ったパンをリュックに終う。
「幸子ちゃんも一緒なんだね。何か予定早いなと思ったけど。」
「秀紀さん、幸子学校で腹減って倒れたんだよ。やっぱ飯って大事なんだよな。」
「え?大丈夫?幸子ちゃん。」
赤信号で停まると同時に、運転席からこちらを振り向いたのは前回同様眼鏡のイケメン!!
私はメガネの方がカッコいいと思います!!!!
「今度美味いモノ食おうな。秀紀さんにバレないように。」
「おい、瑠色。」
隣にいるイケメン具合を見慣れた筈の黒川君が、この秀紀さんと話すと何故か輝き増して見える摩訶不思議!!!!
そういえば一番最初にこの二人に会った時に、訳のわからない事を言っていたのを思い出す。
「あれ?眼鏡の秀紀さんにもやられちゃった感じ?今はダメだよ~?」
「まぁ無理もないよな。俺と瑠色二人揃うとな。」
「わかり~。でも俺の方がオーラ出てっけど~?」
あの公園の会話のデジャブかと思いきや、思いっきり目の前で話しており、輝いて見えた二人の姿がいきなり現実に戻ってこれる。
この二人、揃うとお互い美しさ増すけどデメリットは自信有りすぎなゆえにやたらと馬鹿オーラも増量するな。…でも。
「ひ、秀紀さんですよね。あの時失礼な事を言って…すみませんでした。」