皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました
「え?…あ…あの時かい?いやいや、久しぶり…いや、初めてかな?あんな事言ってくる女の子見て、瑠色のマネージャーやっていなかったら僕が落としたくなったよ。」
「は?」
「瑠色に飽きたら…こっそり教えて?大人の世界を見せて戻れなくしてあげるよ。」
秀紀さんの発言に思わず顔が赤くなり、言葉の中に大人の余裕が見えて高まる心臓。
私でもわかる、女性慣れしているよな…。
赤信号から青信号に代わり、こちらを見ていた秀紀さんが前を向いても、まだ少し緊張している。
「面白くねぇ。」
「え?」
「幸子言っておくけど秀紀さん、あの◯◯って女優の旦那だからね?幸子に言った事本気じゃないからね?」
「内縁な?」
運転席から聞こえる秀紀さんの突っ込みに、俺にしたら同じだよと話す黒川君が勢いよく身体を私に向き、
「おい、よそ見すんなよ。
お前の相手は俺だけだぞ?」
怒った顔を私に見させ、ぷんっと口を尖らせてドカッとまた席に座る。
何ここの車内!!
イケメンフィーバーしてただでさえ貧血なのに鼻血出そうなんですけど!!
治まった赤面がまた赤くなる。
忙しい私の顔色。