皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました

そうなんだと思うのと同時に







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それで明日会える?って
聞いてきたんだね。
二人の写真撮らせたいんだ。
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数分かけて送ったメッセージに、返事も来る前にそういうことかと一人で納得する。

なんだ…
私が知らない間にそんなことになってるんだ。
だから黒川君も焦って私と会おうとしてたんだ。
なんだ…。


と、家に帰ろうとしたらLINEの通知ではなく、着信の通知。
え?電話いいの?出ていいのかな?と恐る恐る着信の緑のマークをスライドさせる。



『はいかいいえで答えろ。馬鹿かお前!なんでそんな週刊誌の思惑通りにこっちが動くんだよ!馬鹿!幸子は馬鹿なのか?』
『……はぁ?だって…』
『はいかいいえで答えろって。』
『…はい。』
『今日雑誌の撮影で、レディースの余った服大量に貰ったんだよ。流石に俺着れないし、そんな荷物持って学校行ったらお前帰る時邪魔だろうし、だから会えるか?って聞いたんだよ!馬鹿!』
『……え?』
『朝の定食屋、早すぎて行けないし、夜ならいいかと思って。』



本当に?
思わず口に出そうとしたけど、はいかいいえで答えるしか今は出来ない状況っぽいので、

『……はい。』


しか、言えない。


『迷惑かけてんのは悪いと思ってるし、幸子が嫌なら勿論考える。』
『………。』







『でもまだ俺の彼女でいてくれよ。』




黒川君、わざとだよね。
策士だなぁ。
そんなこと言われて【いいえ】で答える女の子いるのかな。

告白みたいな台詞。偽物の関係だけどって足さないと勘違いしちゃうよ?








自分の立場をわきまえて

秀紀さんが言ったあの言葉と、


俺の彼女でいてくれよ

黒川君が言ったこの言葉



従わなきゃいけないのは前者なのはわかっている。わかっているのに、







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