皆の推しメン(ズ)を私も好きになりました

『そんなことよりさ、黒川君誕生日近いじゃん?ちょっと会えない?私、その日も変わらずバイト入ってるから夜になるけど。』
『当日は…ちょっと無理かな…。この前みたいに誕生日はライブ配信しなきゃいけないんだ。』
『あぁ!あれね!100万人くらい祝ってくれるんじゃない?そっかぁ。』


プレゼントを渡せない事に少し残念だけど、黒川君の誕生日を祝いたい人が沢山居るのは事実なので、すんなりと諦めていると。




『前の日…とか。』
『ん?』
『前日の夜なら、少しだけ時間あるかも。幸子は?』
『私はバイト終わる時間変わらないからいつでも大丈夫だよ。』
『じゃあそん時にバイト終わったら連絡して。どっかで待ち合わせしよ。』
『わかったよ。補習頑張ってね。』
『……またな。』



電話を切って、よーし、働きますかと携帯を閉まって、バイト先へ向かう。

当日の夜は水色のワンピースを出そうと心に決めて。




ちなみに誕生日プレゼントは念のため、定食屋のママさんが預かってくれている。

「この中に私の作ったオカズ、入れちゃお~かしら。」
「ママさん、流石に止めて。」
「え、俺も唐揚げ入れるつもりだったぞ?」
「ちょっと~!!」


他の人のお誕生日に嬉しくなるのは初めてのこと。
つい、ママさん達とじゃれあってしまう。

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