余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
「おふたりはどんなデートをするんですか? プロポーズの言葉は? ……答えられないんですか」
彼女の声がどんどん暗澹としたものに変わっていく。私が都合の悪い質問をされてだんまりを決め込んだと思っているに違いない。
適当に答えることすらできず、俯いたままでいるしかない私に、彼女は猜疑心に満ちた声を投げかける。
「清華さん、本当に芹澤先生と婚約しているんですよね?」
核心を衝かれ、心臓がドクンと重い音を立てた。
一瞬ためらうも、ここで認めなければ夏くんの迷惑になると自分に言い聞かせて首を縦に振る。しかし、彼とのことをなにも答えられない私がそうしたところで、りほさんは信じないだろう。
その予想通り、「……そうですか」と返した彼女の声は暗く、上辺だけのように感じる。
「もしもおふたりの婚約になにか裏があるのだとしたら、芹澤先生を好きな立場からすると納得できません。彼はそういうことをしない人だと思っていたからちょっとショックですけど……それでもやっぱり好きなんです。チャンスがまだ残されているなら、もう少し悪あがきさせてもらいます」
私を敵と捉える鋭い瞳を向けられ、ぐっと胸が苦しくなった。
彼女のように思うのは当然だろう。皆に嘘をついているのだから、責められても仕方ない。
彼女の声がどんどん暗澹としたものに変わっていく。私が都合の悪い質問をされてだんまりを決め込んだと思っているに違いない。
適当に答えることすらできず、俯いたままでいるしかない私に、彼女は猜疑心に満ちた声を投げかける。
「清華さん、本当に芹澤先生と婚約しているんですよね?」
核心を衝かれ、心臓がドクンと重い音を立てた。
一瞬ためらうも、ここで認めなければ夏くんの迷惑になると自分に言い聞かせて首を縦に振る。しかし、彼とのことをなにも答えられない私がそうしたところで、りほさんは信じないだろう。
その予想通り、「……そうですか」と返した彼女の声は暗く、上辺だけのように感じる。
「もしもおふたりの婚約になにか裏があるのだとしたら、芹澤先生を好きな立場からすると納得できません。彼はそういうことをしない人だと思っていたからちょっとショックですけど……それでもやっぱり好きなんです。チャンスがまだ残されているなら、もう少し悪あがきさせてもらいます」
私を敵と捉える鋭い瞳を向けられ、ぐっと胸が苦しくなった。
彼女のように思うのは当然だろう。皆に嘘をついているのだから、責められても仕方ない。