余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
さよならまで、あと一日

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 まだあなたが大学生だった頃、いつものメンバーで夜が明ける前に出かけて海に行ったことがある。

 車で流行りの音楽をかけて薄暗い街を颯爽と走り、謎のハイテンションさで盛り上がって。海に着くと、ちょうど水平線からオレンジ色の太陽が顔を出して、私たちはその時だけ静まり返って神々しいそれを眺めていた。

 珍しく雪が降った冬の日は、鍋パーティーをしようと彼のマンションに皆で集まったのに、バルコニーで雪だるまを作るのに一生懸命になったりした。

 そして大人になった今、私はあなたとデートしている。そのたびいろいろな素の顔を見せるから、私は今でも惹かれっぱなしだ。

 美しい朝日も、不格好な雪だるまも、あなたの素顔も。全部、いつまでも覚えていたいよ。

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