余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
夏くんと別れた日から毎日連絡が来るが、心が潰されそうになりながら画面を閉じている。そして、私の体調もあまり思わしくない。
頭痛の頻度が増え、物忘れが多くなり、ほんの数分だが一時的に意識をなくすこともあった。彼と過ごしている時は平気だったのに、こんなに影響するものなのかと驚くほどだ。
しかし四日後にはいよいよ入院するので、薬を飲む以外に特別なことはしていない。あとはもう、神様に委ねるだけ。
会社では私が休みに入る直前まで内密にしてもらっているので、明日皆に報告するつもりだ。
真っ先にその話をしたのが、厳しくも優しい部長。ギリギリまで働くことをとても心配していたけれど、迷惑をかける可能性があるのも承知で認めてくれたから本当にありがたい。
その前に慎ちゃんと秋奈には打ち明けておこうと、再び仕事終わりに食事の約束を取りつけた。
重い話をするので雰囲気だけでも明るくしたくて、カタコトの日本語が飛び交う中華街のお店にしてみた。
それぞれの料理と、皆でシェアしようと小籠包や海老蒸し餃子を頼んだところで、秋奈が待ってましたと言わんばかりに身を乗り出してくる。