余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
「は……?」
「なんで、どういうこと!?」
眉根を寄せ、秋奈が立ち上がりそうな勢いで身を乗り出してきた。私は小さく深呼吸をして、冷静に打ち明ける。
「私、脳の病気になっちゃって。手術するから、仕事も明後日まででしばらく休むの。黙っててごめん」
こんな報告は青天の霹靂だろう。ふたりとも唖然とした表情に変わっていく。
わずかな沈黙が流れる中、湯気を上らせる美味しそうな小籠包が運ばれてきたものの、それには目もくれず秋奈がひとり言のように呟く。
「病気……?」
「うん、脳腫瘍。慎ちゃんはわかると思うけど、最近物忘ればっかりしてたでしょ。それが原因だったんだよね」
仕事中も資料を渡し忘れたり、打ち合わせの日時を間違えたりしていた。やはり慎ちゃんもおかしいと感じていたようで、動揺を露わにしつつも納得した様子だ。
「どうりで……天乃にしては珍しいミスするなと思ってた。でも、脳腫瘍って」
「手術すれば治るんだよね?」
秋奈に心底心配そうな声で尋ねられ、胸が痛むのを感じながら曖昧に微笑む。
「私の場合、できてる場所が悪いみたい。言葉とか記憶とか、大事な働きをしてるところで、後遺症が残る可能性が高いから手術はできないって。そのうち、こうやって普通に話せなくなっちゃうかもしれないし、記憶も保っていられなくなるかも」
「なんで、どういうこと!?」
眉根を寄せ、秋奈が立ち上がりそうな勢いで身を乗り出してきた。私は小さく深呼吸をして、冷静に打ち明ける。
「私、脳の病気になっちゃって。手術するから、仕事も明後日まででしばらく休むの。黙っててごめん」
こんな報告は青天の霹靂だろう。ふたりとも唖然とした表情に変わっていく。
わずかな沈黙が流れる中、湯気を上らせる美味しそうな小籠包が運ばれてきたものの、それには目もくれず秋奈がひとり言のように呟く。
「病気……?」
「うん、脳腫瘍。慎ちゃんはわかると思うけど、最近物忘ればっかりしてたでしょ。それが原因だったんだよね」
仕事中も資料を渡し忘れたり、打ち合わせの日時を間違えたりしていた。やはり慎ちゃんもおかしいと感じていたようで、動揺を露わにしつつも納得した様子だ。
「どうりで……天乃にしては珍しいミスするなと思ってた。でも、脳腫瘍って」
「手術すれば治るんだよね?」
秋奈に心底心配そうな声で尋ねられ、胸が痛むのを感じながら曖昧に微笑む。
「私の場合、できてる場所が悪いみたい。言葉とか記憶とか、大事な働きをしてるところで、後遺症が残る可能性が高いから手術はできないって。そのうち、こうやって普通に話せなくなっちゃうかもしれないし、記憶も保っていられなくなるかも」